パスポートを預ける不安 プーケットタクシー屋オヤジの香港脱出記
15)持つべきものは”友”
「VISA on Arrival は1泊以上せんと発行出来へんで。
ちょっとあそこのトランジットゾーンで待っといて。
後で係官が行くから。」
「え。
VISA代は払いますけど、あきまへんの?(汗)」
トランジットゾーンに行くと、
もう一人女性が同じように待っている。
話を聞くと、キャセイのCAの仕事をしていて、
昨日、アメリカ線で香港に到着したが、
ワシ同様、ダイレクトではバンコクへは飛べないと判断してシェリムアップ経由を選んだとのこと。
彼女のケースはタイ国民なので、
例の保険は必要ないが、
週末の短時間の間にコロナフリーの健康診断をしてくれる病院を探せなかった、とのこと。
皆、いろんな事情があるわけやなぁ。
そんな話をしていると別の担当官が来た。
「アンタらのパスポートを預からしてもらう。」
あら。
何かいや~な展開。
ワシは5時間、彼女は3時間の乗り継ぎ時間があるもんの、
担当官がパスポートを持って行って、なかなかトランジットゾーンに帰って来ない。
“ケチつけられたら最悪この町で2週間滞在かな。
まさか、香港に送り返すっちゅうのはないやろ。”
とか、いろいろ考えていると、
「アンタら二人、俺について来い。」
「あの、ワシの荷物は。。。」
「ついて来たらエエんや。」
逆らわんとついていく。
何か普通の通路と違う所を通らされ、
X-Rayの荷物検査の機械を通る。
「あれ、これ搭乗エリアに来てるがな。」
どないなってるんや。
出発便の表示のないゲートの前のベンチで
「ここでもうしばらく待つように。」
待つことさらに30分。
担当官が、なんと、
バンコク行きの搭乗券と荷物タグを持ってワシらの前に来たがな!!
「手続きは終わってるから、
あとは予定の便が来たら勝手に搭乗してください。」
OMG!!
これでカンボジア通過はほぼ確定。
一番の大ヤマと思っていたここでのバンコク行きのチェックイン作業を
他力で通過したわけや。
キャセイのCAの女性と“お互い良かったですね”と挨拶をかわし、
これ以上一緒にいる理由もないので“お気をつけて”と分かれる。
最大のヤマ場を越えたワシは、
とりあえず、ワイフとお世話になったXXさん◇◇さん、経営パートナーの△△にバンコク行きの搭乗券の写真を送り、最難関の突破を報告。
トータル5時間の待ち合わせ時間を経て、
バンコク行きに搭乗。
今回はヨーロッパからの旅行者で満員の機内。
朝のキャセイの機内でのような緊張感はゼロ。
スワナプームに到着後、
14日間の自己隔離期間中、追跡されるアプリをインストールさせられたものの、
大きな問題もなく入国。
ワイフが運転する車に乗り込み、
やっと香港脱出劇は“これにて一件落着”。
もちろん関係各位に車内の二人の写真を送り、無事の帰還を報告。
いやいや、普段やったら何ともないことが、
コロナによる各種規制、入国制限の結果、えらいややこしいことになりました。
この数か月間で、
*香港の法人の閉鎖
*香港不動産の売却
*資産移動の準備
*入国規制で閉まりかけの門をすり抜け
と色々やりましたが、
最後は自分を“人間ロンダリング”してる気分でしたわ。
それもこれも多くの人のサポートがあってここまで辿り着けたんよね。
ホンマ有難いことですわ。
持つべきものは”友”ですな。
香港に残る多くの友人の無事と将来の発展を祈りつつ、
これからのバンコクでの生活とプーケットのタクシー業に邁進するで~!!
シリーズ“香港脱出”完